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和楽器オーケストラ 「AUN J-Classic Orchestra」×SIS

和楽器の音色を世界に広げたい 【3】

和楽器の未来を思い描く

写真公平 和楽器を羽織袴で演奏する人が多いですが、僕らは、現代に生きてて現代の音楽をやってると思っている。だから、普通の服を着て演奏しています。お琴、三味線、尺八というのは本来民衆のもの。民衆が昔から愛して残してくれたから今も残っている。それが戦後、西洋にすり寄ったために、和楽器の世界をちょっと難しいものにしてしまったんです。格式も高くなって、かえって敷居の高い音楽になっている。これじゃ、取り残されるばかりですよ。

武藤 今回のアプリがそんな和楽器の敷居を低くする役目になれればいいですね。そして世界中の人たちに発信できたらなぁと思っています。AUN Jのつくる日本の新しい文化が世界にどんどん発信できるきっかけになればいい。

公平 アジアに行くと、オートバイのことを「ホンダ」と呼んでいて、ヤマハのオートバイが「ヤマハホンダ」と呼ばれています(笑)。そんな風に、AUN Jが和楽器の代名詞となると嬉しい。AUNとはそもそも「あ」と「うん」の日本語ですし。

良平 国内においても定期的に演奏ができる「劇場日本」とか、「Jシアター」とかいった場が日本に作れたらと思っています。そこには全国から中学生や高校生が修学旅行で集まってくるし、外国人旅行者も観に来る。外国人たちが和楽器の演奏を聞いて盛り上がっている様子を見た中高校生たちは絶対かっこいいと思ってくれるはずです。また、そういうシアターがあれば、和楽器演奏が仕事として成立するようになる。和楽器だけで食べていくのって結構大変で、みんなほかの仕事を並行しながら続けていますからね。シアターはなんとか死ぬまでに作りたいと思っています。

武藤 音楽だけじゃなくて、新旧入り混じった日本を代表するいろんな芸能もできたりするといいですよね。

写真公平 そのシアターでは若い才能も育てていき、最初はシアターでチケットのもぎりとかやらせながら修業をしてもらう(笑)。徐々に力をつけてきたら、NYやロンドン、パリへとどんどん出ていけばいい。海外に行ければもっと和楽器は尊敬されると思うんですよ。相撲や歌舞伎のように。和楽器の中で唯一、和太鼓だけが世界で知られるようになっていますが、ほかの楽器はまだまだです。

良平 ただ演奏するのではなく、ステージのショーとしての完成度も上げていかないとね。そういう意味では和楽器の人たちはこれからいろんなものを観なければいけないし、学んでいかないと。

武藤 僕はブロードウェイが大好きで、よくミュージカルも観ます。あちらは毎晩お客さんで満員じゃないですか。世界中の人たちが老若男女を問わず楽しめるステージとしてしっかり成立している。日本ではなかなかそういう場がつくれていないですよね。

公平 そうです。だからこそ日本にそういうシアターをつくるということを目指しています。

武藤 伝統的な演奏だけだとなかなか外国の方や若い人たちがついてきてくれないから、やはりショーアップしないとダメですね。

公平 演奏の合間に殺陣を入れたり(笑)、いろんな見所があってもいい。

写真武藤 日本人はコンテンツをクリエイティブにアレンジしていくのがあまりうまくないので、いろいろとアイデアが必要になりそうですね。

良平 外国の人は本当にうまいですもんね。

武藤 日本の音楽だけでなく、海外の音楽もどんどん取り入れていけばいいんじゃないでしょうか。たとえば、レディ・ガガの曲をAUN Jがやるとかね。そういうのができたら今よりもっともっと面白くなる。

公平 いつかそういうラインナップも出しますよ。セリーヌ・ディオン版とか(笑)。

武藤 日本人にとっても、今のままじゃ距離があり過ぎて、他の国の文化みたいになっています。どこか親しみにくいし。

良平 そもそも僕らは、伝統楽器だと思ってないところがあるんですよ。三味線は三味線で、別に伝統を受け継いでるわけじゃない。あくまでも自分を表現するためのツールと考えています。

公平 それと、やっぱりステージでなにが重要かというと、お客さんに観て聴いて楽しんでもらうことです。何回観ても面白い、そんなものをやってきたいですね。大阪の芸人は同じネタを死ぬまでやります。それは、ステージでそのネタを披露するたびにお客さんが大爆笑してくれるからです。僕らもそんな域に達すれば本望ですね。なにしろ出身が大阪ですから。いい悪いという判断基準はないんですよ。すべてが、おもろいか、おもろくないかなんです(笑)。

武藤 (笑)。AUN Jのみなさんと話をしていると、いろいろなアイデアが次々にわいてきます。ぜひこれからも一緒に仕掛けていきましょう!

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<プロフィール>

井上良平・公平/INOUE RYOHEI・KOHEI
1969年大阪生まれ。双子の和楽器アーティスト。18歳で和太鼓パフォーマンス集団「鬼太鼓座」に参加。全米一周1万5000キロという距離を3年かけてマラソンで走破しながら、300回以上のステージをこなす。4回のニューヨーク・カーネギーホール公演を成功させたほか、これまでに世界35か国、国内外で1000回を越える公演を行う。2000年に新しい表現を求め、双子ユニット「AUN(アウン)」を結成。兄の良平は和太鼓と三味線、弟の公平は和太鼓、三味線、笛をいずれも独学でマスター。ステージでは三味線の掛け合い演奏という、2人ならではの"芸"も披露する。2008年に、若手の和楽器奏者に呼びかけて和楽器オーケストラ「AUN J-Classic Orchestra」を結成。メンバー8名で、和太鼓、三味線、箏、笛、尺八、鳴り物による和楽器アンサンブルを国内外で演奏する。これまで4枚のCDをリリース。迫力のある公演は海外で高い評価に。和楽器を通した、日本の伝統文化の発信にも努める。

 

>> 「AUN J-Classic Orchestra」公式サイト
>> iPhoneアプリ「AUN J」関連サイトページ

 

武藤新二/MUTO SHINJI
株式会社電通 汐留イノベーションスタジオ チームリーダー/クリエーティブディレクター
1992年、広告会社電通に入社。クリエーティブディレクション、コミュニケーションプランニング・商品ブランド開発設計、ソーシャルデザイン、メディアコンテンツ企画制作など、仕事の領域は多岐に渡る。2010年7月、電通社内に「汐留イノベーションスタジオ」を立ち上げ、社内さまざまなセクションから集まったクリエーター、プランナーを率いる。

 

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