Prev

第7回 イメージ

第7回:ノキロアートネット店長 佐藤陽子


大切なのは、つくること、そして続けること(2)

 

『SISが「おもちゃ」を通じて目指すこと。』

 

武藤 今回、ノキロアートネットには『PaPaCo Design Project』のプロダクトの一つである「音を奏でる宝箱」の実制作をお願いしました。木工作家の松本和美さんをご紹介いただいたわけですが、彼女を選ばれた理由は、何だったのでしょうか。

 

dialogue_with_sis_vol7_03.jpg佐藤 松本さんは、モダンな作品をつくっている作家さんですが、作家活動と平行して、京都精華大学で建築や木工を教えいらっしゃる方です。そういった社会性に富んでいる点も、ご推薦したひとつの理由でした。

 

武藤 実際に松本さんと打ち合わせをさせていただいたとき、先程佐藤さんが仰っていた「人間性が大切」という言葉を、ぼくも実感しました。松本さんは、「できる、できない」が明確でごまかさない人でしたし、代案も積極的に考えてくれました。コラボレーションを楽しんでくれていたというか。

 

佐藤 松本さんとしても、「パパと子どものいい関係性が、未来につながる」という『PaPaCo Design Project』のテーマを、とても気に入っていたようでしたね。普段、オーダーメイドの打ち合わせをしているときにも思うのですが、やはり、コンセプトに共鳴してくれた作家さんとコラボレーションするのが一番ですからね。

 

武藤 ぼくらはおもちゃメーカーではないので、それ単体で楽しめるものというよりは、それがあることにより、パパと子どもの間に、自然と関係性が生まれるようなものをつくりたいと考えています。それがきっかけで、何かを二人で調べはじめるとか、外に探しに行くとか。

 

佐藤 コミュニケーションのきっかけづくりですよね。

 

武藤 そうです。その点に関して、ぼくらはプロですからね。広告というフィールドで培ったクリエーティビティを、新しいフィールドで活かす。それが、SISが目指すところなんです。ただ、今回のようにプロダクトを実際につくるとなると、なかなか、ノウハウも人脈もなかった。だから、ノキロアートネットには、とても助けられました。

 

佐藤 私としても、子どもが使うっていう目線で考えたとき、マスプロダクトのものではなく、作家が関わったもので遊ぶのってきっと意味があるんじゃないかと感じ、自分たちの活動について、改めて考えるきっかけになりました。たとえば今回の「音を奏でる宝箱」でも、木の色や肌触りや音って、ひとつじゃないっていう気づきが、きっとあるでしょうし。

 

dialogue_with_sis_vol7_04.jpg武藤 一方通行じゃなく、想像力に訴えかけるものになるように、というのは心がけましたね。あと今回はプロジェクトの立ち上がりでしたから、発表するプロダクトはどれも、メッセージ性の強い、コンセプチュアルなものにあえてしました。今後は、より日常的なものもつくっていきたいと考えています。

 

佐藤 それは楽しみですね!

 

武藤 実際、第2弾の準備は既に始まっていて、実は京都という地域性を、すごく活かせるプロジェクトになりそうなんです。ですから今度は、実制作だけではなく、もっと初期段階からのコラボレーションを、ノキロアートネットとできればと思っています。

 

佐藤 ありがとうございます!私たちにとっても、作家さんたちにとっても、とてもいいきっかけになりそうですね。

 

武藤 先程の佐藤さんのお話ではないですが、続けていくと、次第に求心力が生まれるのではないかと。だからぼくらも、続けていくことが大事なんだと思いました。地域にいるクリエーターたちとつながり、彼らのデビューや更なる活躍の場を生みだしていくことって、広告を作っていく作業からは生まれない価値を、つくり出すことにつながるのではないかと思うんです。

 

佐藤 広告会社は広告、プロダクトデザイナーはデザイン、という時代ではないですからね。

 

武藤 そう、ジャンルミクスチャルな活動を、これからもどんどん続けていきたいと考えています。

 

(1) (2)

 

 

<プロフィール>
佐藤陽子/YOKO SATO
ノキロアートネット店長。2003年、夫と共にnokiro-art-net 設立。ノキロとは、「和」という文字を「ノ」「木」「ロ」に解きほどいたもの。「こころ豊かな和む暮らし」をテーマに、作家、アーティストとのネットワークを生かし、各地のデパートやギャラリー、カフェ等での企画展の開催や新しいものづくり、空間づくりを手がけている。

 

>>ノキロアートネット

 

武藤新二/MUTO SHINJI
株式会社電通 汐留イノベーションスタジオ チームリーダー/クリエーティブディレクター
1992年、広告会社電通に入社。クリエーティブディレクション、コミュニケーションプランニング・商品ブランド開発設計、ソーシャルデザイン、メディアコンテンツ企画制作など、仕事の領域は多岐に渡る。2010年7月、電通社内に「汐留イノベーションスタジオ」を立ち上げ、社内さまざまなセクションから集まったクリエーター、プランナーを率いる。

Prev

Information from NewEntry

第17回:財団法人日本宇宙フォーラム主任研究員 山中勉

地球人を育てるために(3)『詩×宇宙×IT=地球人!』武藤 今回SISとの取り組みとして、...

第17回:財団法人日本宇宙フォーラム主任研究員 山中勉

地球人を育てるために(2)『地球人としての視点が芽生えるまで』武藤 そもそも山中さんご自身...

pagetop