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第4回:株式会社ABC Holdings取締役 志村なるみ


キッチンから生まれる未来(2)

 

『すべては、料理を楽しんでもらうために。』

 

dialogue_with_sis_vol4_07.jpg武藤 先ほど「きっかけや夢を売るのが本業」と仰っていましたが、『ABCクッキングスタジオ』には、生徒としてやって来られた方が、そのモチベーション次第で講師になったり、レシピを出したりできるシステムがあるとお聞きし、すばらしいなと思いました。

 

志村 趣味で入って来た人が、そのうち講師になるコースへ移ることはよくありますね。ウチでは講師になると、レシピを考案できますし、レシピを外で使うこともできます。つまり講師になるということは、別のスクールを開いたり、カフェを開業したり、それこそ本人のモチベーション次第では起業につながるんですよ。

 

武藤 講師つながりでもうひとつ、生徒が毎回講師を選べる「指名制度」が、ABCクッキングの特徴と言われていますよね。生徒側にしてみると、とても自由度が高いシステムだと思いますが、逆に組織側にとっては、指導のレベルなど、オーガナイズが難しいのではないでしょうか。

 

志村 仰る通り、ABCでは講師を自由に選べますし、授業を受ける場所も、会員であれば全国どのスタジオへ行っても構いません。それらはすべて、生徒に、料理をより楽しんでもらおうという思いから生まれたアイデアです。それを実現するための最低条件として、私たちは、講師によって教えるレベルが変わらず、どの講師から教わっても一定の技術が身につく仕組みを構築する必要がありました。

 

dialogue_with_sis_vol4_05.jpg武藤 3500人ほどいらっしゃるという講師のレベルやスキルを、どうやってチューニングしたんですか?

 

志村 講師たちには、「世界中に笑顔のあふれる食卓を」という理念に基づくABCの方針を、マニュアルや研修によって徹底的に教育しています。それが身についた上で、初めて個性を発揮する自由を得られるのです。大切な軸の部分は絶対にぶれないように、ただし、生徒がより楽しんでくれるためのアドリブは効かせるように。講師たちも生徒から選ばれたいわけですから、その辺のスキルは必死で身につけてくれますね。

 

武藤 企業としての努力目標が、すべて「会員たちがより楽しんでくれるために」といった方向に向かっていることがすばらしいと思います。そういった目線を常に持っているから、例えば1つのクラスで講師が複数のメニューを教えるという、「個別指導」的とも言える斬新なアイデアが、生まれたのでしょうね。

 

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<プロフィール>
志村なるみ(株式会社ABC Holdings取締役)
株 式会社ABC Cooking Studio創立者。食の大切さを伝えていきたいという想いのもと、料理教室ABC Cooking Studioを立ち上げる。近年、女性の社会進出が進む一方、仕事と家庭の両立をはかる「ワークバランス」の必要性を唱えている。主な著作に『ABC Cooking Studio 女性の心をつかむブランディングの軌跡』(朝日新聞出版)など。


武藤新二/MUTO SHINJI
株式会社電通 汐留イノベーションスタジオ チームリーダー/クリエーティブディレクター
1992年、広告会社電通に入社。クリエーティブディレクション、コミュニケーションプランニング・商品ブランド開発設計、ソーシャルデザイン、メディアコンテンツ企画制作など、仕事の領域は多岐に渡る。2010年7月、電通社内に「汐留イノベーションスタジオ」を立ち上げ、社内さまざまなセクションから集まったクリエーター、プランナーを率いる。

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