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第16回:金沢美術工芸大学教授 後藤徹

CSR、産学連携......。SISのこれから(1)


後藤徹(金沢美術工芸大学視覚デザイン専攻 教授)
武藤新二(汐留イノベーションスタジオ ディレクター)


アートディレクターとして、長年、広告界の第一線で活躍してきた後藤さんは、5年前に電通を早期退職され、現在は金沢の美術大学でコミュニケーションデザインを教えられています。そんな後藤さんとSISは、今年、いくつかのプロジェクトで活動をともにしました。その内容を振り返りつつ、今後の展望を模索していきます。

『広告の未来はSISが作る?』

dialogue_with_sis_vol16_02.JPG武藤 電通に来られるの、久しぶりですか?

後藤 そうだね。東京に戻ってくるのも久しぶりだから。でも、ここに来るまでにもいろいろと広告を目にしたけれど、なんというか、最近の広告って「プロモーション」に特化しているよね(笑)。アカウントプランナーが企画のど真ん中で作業をすることが多くなったからかな? 

武藤 かつて電通社内に『デンツウデザインタンク』をお作りになられた後藤さんらしいご意見ですね。部署の垣根を越えたAD集団を組織し、「デザインの力でクライアントソリューションをする」というデザインタンクの活動は、実にシンプルで、ある種広告の原点でもありましたからね。

後藤 どんな業界、どんな会社もそうだと思うけれど、この先どうなって行くのか誰にもわからないし、昔ながらのやり方が通用しない部分も出てくるはず。だから、デザインタンクもそうだったけれど、大きな会社の中の既存のセクションじゃなくて、SISみたいな存在から、この先のビジネスモデルが生まれてくる可能性は十分にあると思うよ。

武藤 ありがとうございます。ぼくらもそれを十分意識して、活動しているつもりです。

後藤 SISがいいのは、社会との関係が濃いところだと思う。1/2成人式なんて一種のCSRのようだし、それでいて上手く行くとビジネスになるかもしれない。いかにも「ビジネスでござい」という感じではなくて、社会との新しい関わり方から、新しいコミュニケーションのモデルが生まれる可能性があるよね。

dialogue_with_sis_vol16_01.jpg武藤 これまでに何度かClipCMを使った1/2成人式のワークショップを行ってきましたが、ITツールが、学校教育の中で子どもの感性を高める役割を果たしてくれるということと、広告制作のノウハウというものが、ダイレクトで教育に使えるということがわかってきて、かなり手応えを感じています。ところでCSRといえば、後藤さんこそ、電通のCSRのはしりでしたよね。

後藤 ユネスコがやっている『世界寺子屋運動』との連動ね。当時、CSRという考え方がようやく浸透し始めた頃で、ただお金を使うだけだったら何も面白くないし、何かないかなと考えていたときに、ちょうどユネスコの人と出会うきっかけがあってね。世界の識字率を高める運動は電通がまさに関わるべきコミュニケーションとしてのCSRだと思い、社長を説得したんだよね。

武藤 教育との連係やユネスコとの関わりは、今後SISも模索している部分です。次項では、そのあたりのことからお話をしたいと思います。



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<プロフィール>
後藤徹/GOTO TETSU
1951年東京都生まれ。東京藝術大学大学院版画専攻卒業後、78年、株式会社電通にアートディレクターとして入社。主な作品としてJR東海「そうだ、京都、行こう」キャンペーン、キリンラガービールキャンペーンなど。ニューヨークADC賞、東京ADC賞、朝日広告賞など数々の受賞歴がある。広告制作のかたわら、マルタンというペンネームの夫婦ユニットで、絵本『くるりんぱ』を出版。「モノの見方はひとつじゃないよ」というメッセージとともに「ユネスコ世界寺子屋運動」に参加、世界の子どもたちへのワークショップを行っている。2008年より、金沢美術工芸大学視覚デザイン専攻の教授に就任。現在に至る。

武藤新二/MUTO SHINJI
株式会社電通 汐留イノベーションスタジオ チームリーダー/クリエーティブディレクター
1992年、広告会社電通に入社。クリエーティブディレクション、コミュニケーションプランニング・商品ブランド開発設計、ソーシャルデザイン、メディアコンテンツ企画制作など、仕事の領域は多岐に渡る。2010年7月、電通社内に「汐留イノベーションスタジオ」を立ち上げ、社内さまざまなセクションから集まったクリエーター、プランナーを率いる。



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