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第15回:ダンサー・振付師・タレント・俳優 パパイヤ鈴木

いまの日本には、「イイ」が必要だ(3)

『カズフミくんがキャズムを超えるために。』

dialogue_with_sis_vol15_07.jpg武藤 それにしても今回、学校の、しかも保健体育という枠組みの中でダンスの授業が行われるということで、ダンスが本来持つ魅力や意味合いが損なわれてし まったり、自己表現が苦手な子どもが気まずくなったりという事態が起こりえると思うのですが、実際、教育関係者の方々とお会いしてみた印象はどうですか?

パパイヤ 100m走は早く走れることがいいわけで、評価もわかりやすいけれど、ダンスはそれとは全く違うんだということや、ものすごくデリケートな年頃 の子どもたちに、ものすごくデリケートなことをさせるんだということを、現場の先生たちはよく理解していると思います。ダンスの授業をすることで、結果と してダンス嫌いを生み出しかねないということをね。そんなことにならないように、機会がある限りは、さっきも言った「イイ」の話、具体的に言うと、「ダン スには技術点もあるけれど、エンターテインメント点もあるんだよ」ということを、伝えるようにしていますけれど......。

武藤 パパイヤさんみたいな先生がたくさんいたらいいんですが...。「学校とダンス」というテーマについて、ぜひ教育現場でも、公の場でも、先頭に立って発信していっていただきたいですね。

dialogue_with_sis_vol15_08.jpgパパイヤ そういえばこの前一緒に、小学六年生を対象に『カズフミくん』を使ったダンスの授業をやりましたけど、先生も生徒も、盛り上がり方がハンパじゃなかったですね。自分たちで4枚のマットを作ってもらいましたけど、デコってる子とかいて、面白かった(笑)。

武藤 子どもたちって自由ですよね(笑)。「ふむのがもったいない」って言っていたかと思えば、そのうち破けてきて、「もういらない!」って言い出した り。そうすると今度は、足下を気にしなくなるから、どんどんオリジナルな表現をし始めて、ダンスがどんどん変わっていく。あのエネルギーがダンス本来のパワーなんだなって、ちょっと感動しました。

パパイヤ 規則が最初にあって、そこからルールを破っていくのも、オリジナリティというか、エンターテインメントなんですよ。まさにそこから「イイ」感じが生まれるわけです。

武藤 ああいうのを目の当たりにすると、ダンスの授業も、最初のオペレーションさえきちっとすればすぐにブレイクスルーがやってきて、その達成感とともに自ずと独創性が出てくるという、いいスパイラルを体験させることができるんだなって思いました。

パパイヤ その「最初のオペレーション」をきちっとやるのが難しいんだけど、『カズフミくん』は、その役割を果たせると思いますよ。

武藤 以前、ClipCMを使った「1/2成人式」という試みをした時にも思いましたが、パッケージング化というか、マニュアル化をして、誰もが一定のレ ベルで使える状態にしておくことがとても重要だと思います。今回の『カズフミくん』も、そうやって準備をしておくことで、教育関係者の中のアーリーアダプ ターに受け入れられて、場合によってはキャズムを超えるのではないか、というか、超えるように仕掛けていく作業を、今後ぼくらはしていく必要があるなって 思います。

dialogue_with_sis_vol15_09.jpgパパイヤ 「おれの4歩」選手権とか、ネットで火がつくような投稿イベントを仕掛けてもいいかもしれませんね。あと、東京ドームに「カズフミ」って名前の人ばかり1000人集めてイベントをするとか(笑)。「いくぞカズフミーっ!」「うぉーっ!」って(笑)。その点からしてみても、『カズフミくん』という ネーミングはナイスでしたよね。「なんとかダンス」っていう名前だったら、イベントのアイデアも、きっとあんまりパッとしませんからね。



武藤 こちらこそ、とても素敵なコラボレーションをさせていただきました。セッションを重ねながら、アイデアのコアの部分を一緒に作って行き、実際のダン スを考案していただきながら、こちらはデザインやアプリの設計をしていく......。SISというチーム自体が、いろいろなジャンルの人たちとコラボレーション をして化学反応を起こして行きたいという目標を持っているので、今回は、とてもいいカタチでそれを達成できたと思います!

 

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<プロフィール>
パパイヤ鈴木
1966年東京都生まれ。ダンサー、振付師、タレント、俳優。振付師の活動と平行して結成した『パパイヤ鈴木とおやじダンサーズ』が話題を呼び、一躍表舞台へ。現在は、ドラマや映画、バラエティへの出演を続けながら、振付師として多忙な日々を送る。

 

>>オフィシャルブログ
>>Twitter:@papayasuzuki
>>事務所公式サイト

 

武藤新二/MUTO SHINJI
株式会社電通 汐留イノベーションスタジオ チームリーダー/クリエーティブディレクター
1992年、広告会社電通に入社。クリエーティブディレクション、コミュニケーションプランニング・商品ブランド開発設計、ソーシャルデザイン、メディアコンテンツ企画制作など、仕事の領域は多岐に渡る。2010年7月、電通社内に「汐留イノベーションスタジオ」を立ち上げ、社内さまざまなセクションから集まったクリエーター、プランナーを率いる。


photographs by Naoko Nozu

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